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Codex appとClaude Desktopで、AIコーディングの入口はどう変わったか

CLINICAL AIcalendar_month公開: 2026/4/26
Codex appとClaude Desktopで、AIコーディングの入口はどう変わったか

2026年4月現在、AIコーディングエージェントのデスクトップアプリがOpenAIとAnthropicの両社から出揃っている。

OpenAIのCodex appと、AnthropicのClaude Desktop。どちらも「ターミナルなしで使い始められる」というコンセプトは近いが、設計の方向性はかなり違う。この2つを整理しておきたい。

Codex appとは

OpenAIは2026年2月2日にmacOS向けのCodex appを発表し、3月4日にWindows版も提供開始した。

中心にあるのは、コーディングエージェントの並列管理だ。複数のスレッドで別々の作業を同時に進め、差分を確認しながらコメントして修正させる。worktree対応により、複数エージェントが同じリポジトリに対して別々の方向を試しても、ローカルの状態が壊れにくい設計になっている。なお並列処理自体はClaude Desktopのコンセプトとも重なるが、それは後述する。

2026年4月16日のアップデートで機能が大幅に増えた。in-app browser、PRレビューコメント対応、複数ターミナル、複数ファイル表示、SSH経由のリモートdevbox接続など、開発実務に近い機能が揃ってきた。

また、バックグラウンドでMac上のアプリを操作するComputer Use機能も追加されている。ただしこれはmacOS限定で、Windows版のCodex appでは現時点では非対応だ。

画像生成との組み合わせ

4月16日のアップデートでは、gpt-image-1.5を使った画像生成もCodex内で使えるようになった。プロダクトコンセプト、フロントエンドデザイン、モックアップといったビジュアル制作をコードと同じ流れで扱える。

さらに4月21日、gpt-image-2がAPIおよびCodexに追加された。1.5と比べてネイティブの思考(reasoning)機能を持ち、最大2K解像度、1プロンプトから最大8枚の一貫性のある画像を生成できる。業務改善の資料や院内説明素材のラフを作るような用途では、この一貫性の向上はかなり実用的だと思う。

Skills、Plugins、Automations

Codex appの面白いところは、単発チャットで終わらない仕組みが用意されている点だ。

Skillsは、指示・資料・スクリプトをまとめて特定の作業を安定実行できるようにする。Figmaからの実装、Linearでのプロジェクト管理、Vercelへのデプロイ、PDF・スプレッドシート・docxの処理など、90以上のプラグインが対応している。Automationsでは、Codexがスケジュールに沿って背景で作業できる。issue triageやCI失敗の要約、リリースブリーフ作成などが例として挙げられている。

Claude Desktopとは

AnthropicのClaude Desktopは、コーディング機能とナレッジワーク機能を一つのアプリに統合している点が特徴的だ。

2026年4月14日に全面リニューアルされたClaude Code Desktopでは、サイドバーで複数セッションを管理でき、統合ターミナル、インアプリファイルエディタ、再構築されたdiffビューア、HTML/PDF/ローカルサーバーのプレビューペインが使えるようになった。また、CLIで/desktopコマンドを打つと、ターミナルセッションをDesktopに移してビジュアルdiffレビューができる。

もう一つの柱がClaude Coworkだ。デスクトップ上のエージェント機能で、ファイルの読み取り・編集・作成、隔離されたVM内でのコード/シェル実行、そしてComputer UseによるPC操作ができる。Cowork本体は2026年4月9日にmacOS・Windows両対応でGA(一般提供)に到達しており、有料プラン(Pro / Max / Team / Enterprise)で利用できる。Computer Use機能はその中でresearch previewとして提供されており、Pro / Maxプラン限定だが、4月初旬にWindowsでも有効化されたため、Codex appのComputer Use(macOS限定)と比べてOSの広さでは一歩進んでいる。

並列処理についても対応している。独立したサブエージェントを複数起動して同時に走らせるオーケストレーションが可能で、各タスクは独立したコンテキストで動くため互いに干渉しない。進捗確認や停止もメインの会話を止めずにできる設計で、この点はCodex appの並列エージェント管理と同じ方向性だと思う。

拡張性の面ではMCP(Model Context Protocol)コネクタ(Slack / Gmail / Linear / Notion / Asana / Atlassian / Figma / Intercom / Zoomなど多数)と、Desktop Extensions(.mcpb形式)によるワンクリックインストールに対応している。スケジュール実行はClaude Code Desktop側でRoutines(Scheduled / API / Webhookの3カテゴリ)として、Cowork側でも別途スケジュール機能として提供されている。

GA到達と同時にエンタープライズ向け機能も6つ追加されており、RBAC、グループ単位のスペンドキャップ、利用状況アナリティクス、OpenTelemetryサポート、Zoom MCPコネクタ、ツール単位のアクセス制御が利用できる。組織導入を想定する場合の管理面はかなり整ってきた印象だ。

2つの違いを整理する

項目Codex App (OpenAI)Claude Desktop (Anthropic)
並列エージェントあり(複数スレッド・worktree)あり(サブエージェントのバックグラウンド実行)
中核コンセプトコーディングエージェント(汎用拡張中)コーディング+ナレッジワーク統合
Computer UsemacOS のみmacOS・Windows 両対応(research preview / Pro・Max限定)
画像生成内蔵(gpt-image-2)なし
プラグイン/拡張90+プラグイン+MCPMCPコネクタ+Desktop Extensions (.mcpb)
スケジュール実行AutomationsRoutines(Code Desktop)/Scheduled Tasks(Cowork)
インアプリブラウザありHTML/PDFプレビューペイン+Chromeアドオン連携
無料プランなし(Plus $20〜)Cowork/Code Desktopは有料プランのみ
CLI連携Codex CLIClaude Code CLI(`/desktop`でセッション移動)
AIエージェントが並列でコード作成・ファイル管理・ドキュメント要約を処理するイメージ

方向性を一言で言うなら、Codex appはコーディングエージェントの並列・自動化を深掘りしている。Claude Desktopはコーディングとナレッジワーク(文書・ファイル操作・ブラウザ操作)を同じアプリ内で完結させようとしている。

どちらが合うかは、用途次第だと思う。複数エージェントを並列で走らせて開発を回したいならCodex app、コード・ファイル・資料をひとつの環境で触りたいならClaude Desktopのほうが自然に使えそうだ。

CLI設定なしで始められることの意味

どちらのアプリも、特殊なCLI設定なしで使い始められる点は共通している。

これは非エンジニアにとって意外と大きい。CLIは強力だが、インストール・認証・設定・権限・作業ディレクトリ・エラー対応の入口で止まる人は少なくない。

医療従事者が業務改善に使いたいと思ったとき、GUIアプリから入れるのは心理的ハードルが下がる。もちろん、本格運用になれば権限管理やサンドボックスの理解は必要になる。ただ、「まず患者情報を含まないサンプルで小さく試す」段階までの距離は、どちらのアプリも短くなっている。

ただし、医療情報をそのまま入れるのは別問題

便利になったとはいえ、患者情報や個人情報をそのまま入力してよいわけではない。院内ルール、契約、個人情報保護、アクセス権限の確認は引き続き必要で、「アプリで使いやすくなった」こととは別の話だ。

まとめ

OpenAIのCodex appとAnthropicのClaude Desktop、どちらもCLI不要で使い始められるAIコーディングアプリとして2026年春に揃った。

Codex appは並列エージェント・Computer Use(macOS)・画像生成・90+プラグインを擁し、開発寄りの汎用化を進めている。Claude DesktopはCowork本体がmacOS・WindowsでGAに到達し、コーディングとナレッジワークを統合、並列バックグラウンド処理・Computer Use(Windows含む、research preview / Pro・Max)・MCP拡張・エンタープライズ管理機能を提供している。

どちらも「コードを書く道具」から「作業を前に進める環境」に近づいている、という方向性は共通していると思う。

参考にした一次情報

  • OpenAI, "Introducing the Codex app" (2026-02-02, Windows update 2026-03-04): https://openai.com/index/introducing-the-codex-app/
  • OpenAI, "Codex for (almost) everything" (2026-04-16): https://openai.com/index/codex-for-almost-everything/
  • OpenAI Developer Community, "Introducing gpt-image-2" (2026-04-21): https://community.openai.com/t/introducing-gpt-image-2-available-today-in-the-api-and-codex/1379479
  • OpenAI API Docs, "GPT Image 2 Model": https://developers.openai.com/api/docs/models/gpt-image-2
  • Anthropic, "Claude Code Desktop" (2026-04-14): https://code.claude.com/docs/en/desktop
  • Anthropic, "Claude Cowork": https://www.anthropic.com/product/claude-cowork
  • Anthropic, "Desktop Extensions": https://www.anthropic.com/engineering/desktop-extensions
  • Anthropic, "Let Claude use your computer in Cowork": https://support.claude.com/en/articles/14128542-let-claude-use-your-computer-in-cowork
  • Thurrott, "Anthropic Brings Claude Computer Use to Windows" (2026-04): https://www.thurrott.com/a-i/anthropic/334498/anthropic-brings-claude-computer-use-to-windows
Codex appとClaude Desktopで、AIコーディングの入口はどう変わったか の補足画像 1

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